お疲れさまです
くおりです
今回は食品製造と食品ロスをテーマに話していきます
今回の記事では以下のことがわかります
- 食品ロス・食品廃棄物の実態
- 食品業界の1/3ルールとは?
- 食品業界での取り組み、今後について
では早速話ししていきます
食品ロス・食品廃棄物の実態
2019年の消費者庁のデータでは、年間2,531万tもの食品廃棄物がでております
この中で、まだ食べられるにもかかわらず捨てられてしまう食品ロスは年間600万tとなってます
家族5人、一人が一日2.0kgずつ食べたと仮定して、食品ロスは6億日かかって食べれる量です
この内、食品事業者が出しているロスは約54%(324万t)、一般家庭で出しているロスは46%(276万t)となっています
非常に”もったいない”ですよね
食品ロスの発生する内容は?
次に324万tの内訳をみていきます
食品製造業が39%(126万t)、外食産業が36%(116万t)、食品小売業が20%(66万t)、食品卸業が5%(16万t)となっています
食品製造業ではラインで食品を製造しており、製造段階でのトラブルや、ミスによる規格外品(不良)の発生、在庫調整不足による製造過多が挙げられます
工程上での管理不足によるロスはもちろん、気候変動や流行予測に起因する需要予測のミスによる食品ロスは本来食べられる通常のものが廃棄となるため、非常に大きな企業の損失ともなります
また、流通段階での商品の汚染や破損による廃棄も発生しております
ダンボールが少し傷がついたことで返品され、食品製造メーカーへ返却されて廃棄されるという運搬のロス+廃棄のロスというムダが日常的に発生しています
これ以外にも業界独自の1/3ルールというのがあります
食品業界1/3ルール!!!!!
食品業界には昔からの踏襲で1/3ルールというのがあります
私も食品の一般流通の商品を扱って初めて聞きました
正直、理不尽な意味のわからないルールです
1/3(さんぶんのいち)ルールは上記のような形になります
メーカーは製造して、賞味期限(例では6ヶ月)の1/3(2ヶ月)の間は在庫として持っておけます
2ヶ月以内には流通・卸売りの倉庫か小売の倉庫にいれなくてはいけません
卸売り・小売りの関係性もありますが、ここですでに卸売りも過ぎて小売の倉庫に入れなくては行けないところもあります
その後、小売にてバックヤード(販売店の裏の倉庫)や店頭にて商品が売られ、消費者にはさらに1/3(2ヶ月)の賞味期限がある状態で販売されます
この最後の1/3(2ヶ月)を切った場合には店頭から商品を下げる、もしくは値引き販売となります
※お店で値札を見るとマークが合ったりするので見てみると面白いです
このときに引き下げた商品は関係性にもよりますが、メーカーへ返品(!?)され、在庫の損失はメーカーが負うことになります
この流れ理解できましたか?
ちなみに最近ではこの1/3を海外と同様の1/2にしようとする動きがあります
ただ、一方ではさらに厳しい1/4ルールを要求してくる小売りもあります
これらに対応しながら商品の生産計画、在庫管理を行う必要があり、その結果、年間で多くの食品ロスも発生してしまっております
個人的におかしいと思う点
1/3ルールに個人的におかしいと思う点です
まずは賞味期限を伸ばす努力をメーカーがしても、そこから得られるメリットは少ない
費用をかけて、検証、分析して、賞味期限を1ヶ月、2ヶ月のばしたところで、メーカーが在庫を保持して置けるのはその1/3の期間だけになってしまい、メリットが薄いです
返品がメーカーでの支払いになること
注文を受けて出荷したものが、お店に届いて”売れない”理由で返品されるのは発注の管理としても無駄です
さらに商品を持っていって、持って返ってくるのも無駄です
こういった無駄が過去よりは減ってきている状況ですがまだまだ古い体制も維持されつつ、残ってしまっているのが食品業界です
(闇です)
どうしても販売が力が強く、供給元ほど弱い立場になってしまい、過去の慣例から変わらずにいます
SDGsやエシカル志向、オリンピックでの食品ロス問題もあり、今後は国に頼るだけではなく、小売り、メーカー、卸と過去のルールを変えてよりよい制度づくりをしていくべきと考えます
食品業界での取り組み、今後について
では、我々食品に関わる人の出来ることはなんでしょうか?
製造工程での不良を減らすこと
まずは工程内で発生してしまうロスや、歩留まりを最小にするように努力することです
これは経営での原価にも直結するので非常に取り組みやすいはず
出てしまったものは堆肥や飼料などエネルギーのかからない方法で再利用すること
とはいえ、出てしまった食品系のゴミはエネルギーを多く持っているのでそのまま飼料にしたり、堆肥にすることで大きな電気などを使わずに次の活用法を活かしましょう
そう考えると、水分の多いゴミはなるべく水を切るだけで使用する電気やガスは削減でき、産廃の処分費も軽減することが出来ます
使用する包装資材をへらすこと
過剰な商品包装はやめて、必要最小限にしましょう
ギフト、贈答用の場合はその時のみ必要最低限の包装を足すイメージです。
日本は過剰包装しがちですね
無駄なボリューム確保をして空気を運ぶを辞めること
店頭に並べたときに”多く見えるよう”に袋の中に空気をいれている場合があります
空気が多くパッケージが大きければ運搬でのエネルギー・ガソリンも多く使い無駄ですね
配送はエコな形を選択
トラックよりも電車、一つずつよりもまとめて運搬することで配送のエネルギーを削減できます
大手では電車で物を運んでおり、環境にもそのほうが優しいです
組織として方針を明確に、長期計画で省エネ活動を実施すること
何もするにもまずは組織として方針を明確にすることが必要です
長期的な計画とすることで環境への取り組みは実現してくるでしょう
短期的には費用は上がり、経費を圧迫するように見えますが、長期的に見ればメリットが多いものです
方針、実施した場合にはホームページ等で公開し、ブランド価値を向上させること
方針はたてるだけではなく、そこから計画、実施、検証、改善していく必要があります
このサイクルを回すには方針を立てて、外部と共有するとグッ!っと実行確率が高くなります
ホームページではなくても社内で掲示したり、共有するだけでも確率があがり、やっているだけでも企業ブランドは向上していくでしょう
社員の満足度も上がっていきます
まとめ
今回は食品ロス、食品廃棄物について話をしました
食品ロスや食品廃棄物はどうしても発生してしまいますが、企業としては減らすことが必須の時代となってきています
過去の大量消費モデルから、現在の消費者の志向に合わせて、環境配慮できる会社が残っていきます
そのためには方針をたてることが大事です
そこからそれぞれの取組を実施し、世間にも知らせることでさらなる企業の成長に繋がります
また、1/3ルールについても説明しました
食品業界独特の商習慣が食品ロスを増やす要因にもなっており、早急に業界として変えていく必要があります
一部では生活が苦しくて食事も取れない人がいる一方、食べれる食品を廃棄する、捨ててしまっている世の中の矛盾、無駄に気づき、循環型の社会形成のために動かなくてはなりません
私自身も改めて出来ることはないか、考えながら生きていこうと思いました
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