管理者必見!【商品回収する判断根拠】とは!

体験談

お疲れさまです

くおりです

今回は食品の商品回収について個人的見解を中心に話していきます

この記事では以下のことがわかります

  • 商品回収の流れ
  • 商品回収するべきと決められているものは?
  • 商品回収する前に考慮しておくこと

実際に食品を商品回収した場合には大きな費用がかかることはもちろん、すべて食品のロスとなります

回収したものを安く販売することはできないため、環境面での世論とも付き合わなくてはいけないため、判断は難しくなってきています

一般的な規則と、個人的な見解で、判断をする場合の根拠、拠り所になれば幸いです

商品回収の流れ

商品回収案内広告!?(実際には使いません)

商品回収は消費者からのお申し出、製造メーカーでの自主回収の2パターンに分けることができます

消費者からのお申し出

消費者からのお申し出の場合は以下の流れを取ります

  1. 消費者からお申し出(クレーム)として健康被害が届く
  2. 社内で現物を確認する
  3. 消費者への対応は引き続き行う
  4. 当該品を分析、保存サンプルを分析して、被害の拡散性、連続性を検討する
  5. 拡散性、連続性の可能性があり、今後も被害が拡大する場面に置いて商品回収を実施する(通常、検討は製造部門、品質部門が行い、承認はトップ・社長になります)
  6. 新聞広告、メディア広告、ホームページ、店頭広告にて回収を案内
  7. 場合によって記者会見を実施
  8. 同時に回収チームを立ち上げて、専用電話番号を設置
  9. 管轄の保健所へ届け出し、厚生労働省の商品回収へ情報をアップ(食品衛生申請等システム)
  10. 着払いなどで商品を回収
  11. 回収した商品を確認し、原因究明、再発防止措置を実施する

実際に商品回収する場面に遭遇するのは非常に”まれ”かと思います

回収は、その被害が更に拡大することを防ぐために実施します

そのため、普段の製造で各工程、プロセスを実施できていれば、クレームにはなっても「4」の確認時に連続性、拡散性は除外でき、回収には至りません

除外できる根拠となる日々の生産日報、チェック表が重要は改めて重要ですね!

特に金属の異物であれば、金属検出機の稼働状況のチェック記録(CCPになっているかな?)

硬質の異物で大きいものであれば途中でのメッシュフィルターでの点検記録

アレルギーであれば清掃の実施記録とそのチェック記録

これらがあることで”回収しなくてもいい判断”ができます(なので日々のチェックは重要です!!)

製造メーカーでの自主回収

消費者からのお申し出はなくても、製造メーカーが自ら回収することがあります

例えば、以下のパターンが挙げられます

  • 食品の表示について誤りがあった(特にアレルゲン)
  • 原料で仕込み量や使用間違いをして、通常と違うものが出来てしまった
  • 機械トラブルなどで異物が混入してしまった
  • 原料メーカーでのトラブルが有り、それが製品へ影響してしまう

他にも事例があるかもしれませんが自分たちで気づくパターンと、取引先から指摘や農政局、保健所などの指摘から回収に至る場面もあります

こちらの回収の流れは消費者のときとほぼ一緒ですが、改めて以下に示します

  1. 自社内の担当者、責任者、原料メーカー、取引先からトラブルの報告があり
  2. 社内で現物を確認する(主に日報などで使用の履歴を調査)
  3. 当該品を分析、保存サンプルを分析して、被害の拡散性、連続性を検討する
  4. 拡散性、連続性の可能性があり、今後も被害が拡大する場面に置いて商品回収を実施する(通常、検討は製造部門、品質部門が行い、承認はトップ・社長になります)
  5. 新聞広告、メディア広告、ホームページ、店頭広告にて回収を案内
  6. 場合によって記者会見を実施
  7. 同時に回収チームを立ち上げて、専用電話番号を設置
  8. 管轄の保健所へ届け出し、厚生労働省の商品回収へ情報をアップ(食品衛生申請等システム)
  9. 着払いなどで商品を回収
  10. 回収した商品を確認し、原因究明、再発防止措置を実施する

正直ですが、こちらの場合は非常に判断が難しいです!!

それは消費者からの場合へ明確に健康被害がありますが、こちらの場合は健康被害の恐れがあるが、可能性が低い場合、健康被害はないが、法令に適していない場合があるためです

健康被害がある場合としては、アレルギーの表示漏れ、アレルゲンの明確なコンタミ、金属や硬質異物の明確な混入、原料段階から毒性のあるものの混入、腐りやすいものの賞味期限ミスなどです

健康被害の可能性が低いものとしては、配合ミス(特に香料の番手間違いでは健康被害はなし)、表示での誤り(アレルギー以外)、金属異物の恐れがあるが後工程で金属検出機やX線検出器があり通常に動いており排出できている場合、原料メーカーでトラブルがあり対象ロットではあるが社内での使用時には問題なく使用できており消費者への影響も与えない場合、腐ることはないものの賞味期限のミスです

健康被害がある場合は明確に回収ですが、可能性が低いものは組織の判断となります

最近の食品ロスの問題と、今回の回収のインパクトとのバランスを取りながら実施することが必要となります

厚生労働省の届出制度の対象外の場合

自主回収を行ったものすべてを届け出る必要は実はありません

回収を行った際に消費者まで行っているものは必要です

しかし、販売先が特定され連絡可能、さらに違反したもの・回収するものが摂取されていない、摂取する恐れもない=店舗に並んでいない状態であれば、届け出は必要ありません

そのため、異常にいち早く気づき対応することで社告や記者会見はもちろん、届け出も省略することが出来ます

「食品表示法第10条の2に基づく食品リコール情報届出制度」より引用 令和3年6月消費者庁食品表示企画課

回収するべきと決められているものは?

それでも法令では回収するべきと決められている事象があります

こちらをまずは記載していきます

食品衛生法に違反のある食品、おそれのある食品

  • 腸管出血性大腸菌により汚染された生食用食品、および同一ラインでの製造で汚染の可能性がある食品
  • アフラトキシン等発ガン性物質に汚染された食品等、および同一ラインでの製造で汚染の可能性がある食品
  • ガラス等の破片が入った可能性がる食品

上記3パターンを示しましたが、生物学的、化学的、物理的な要因で、健康被害を与えるもの、与える恐れのあるものになります

食品表示法違反(6条8項府令で規定する事項)

食品表示に違反した場合は回収対象となります

特にアレルギーに関しては人命に関わるため、必須です

軽微なものであれば即時の回収ではなく対応も可能です

しかしながら農政局や保健所からの指摘があった場合にはその計画を立てて報告する必要もあります

食品表示に関しては法律が個別のものがあったり、複雑であるため、一定程度の力量を持った人が居たほうがいいでしょう

ここでは食品表示検定中級以上を推奨します

Bitly

食品回収を行う前に考慮しておくべきこと

商品回収を行う場面で必ず考慮しておくべきことを記載していきます

まずは回収が義務付けられている健康被害、人命に関わる事項は必須であること

次に組織としての判断であることとなります

判断する優先順位以下の内容となります

  1. 人命に関わるかどうか
  2. 法令に違反していないか
  3. 社内ルールに逸脱していないかどうか
  4. 回収することが企業ブランドにとってプラスになるか

1については迷いなくやるべきです

2については内容にもよりますが、判断に迷いが生じるかもしれません

消費者庁などに聞いても組織の判断とされる場合があるかと思います

特に意図して、優良誤認や有利誤認といった過剰に”いいもの”として売上を上げるために行った違反は回収が義務付けられますが、無意識に消費者にとっても損にならず、事業者にとっても得にもならない違反は、社告をだしてまでの回収は不要かと思っています(個人的見解です)

3については内容の程度にもよりますが、殆どの場合は回収対象にはならないかと思います

もし、回収するとすれば製品の「こだわりの味、食感」が保てず、品質的に問題がある(食品安全は問題なし)などが当てはまります

社内の品質規格の逸脱で商品のブランド価値が低下する場面が対象となります(この場合は届け出は不要です)

4については、回収が企業にとってプラスに成るときは回収するのもやむなしといえます

過去にやきそばにゴキブリがはいったことがありました、SNSで広まり、その際に回収をしています。さらに工場の再整備を行って再販し、ブランド価値を向上させた事例もあります(ペヤング)

実際に虫が入っていたことは問題ですが、連続性、拡散性はなかったかと思います。その中でも組織として顧客の不安に対して回収を判断したことは非常に英断であったと思います

別の例では商品名を間違えて印刷してしまったので回収しようとしたこともありました。このときは回収発表から、逆にSNSなどで、回収が不要との話があり、そのまま販売となりました。(サッポロ、ファミマ共同開発ビール)

間違えた内容が商品名で「LAGER」を「LAGAR」というもので消費者が気づきにくく、中身は全く問題なかったために消費者の不安にもつながらず、同意も得られなかった例となりました

また、別の例では、海外で使用可能で、国内で使用制限された添加物が輸入原料で使用されたものを回収したこもとあります(塩蔵茎わさびの未承認ヨウ素添加塩使用問題)

この場合は海外では使用可能で、塩に含まれているものなので、継続摂取もせず、使用量も少量で健康被害はないかと思いましたが(個人的には)、右へ習えで回収しております

食品ロスの問題もあるため、怪しければすべて罰する、リスクは「ゼロ」という思考よりも、「もったいない」と言う思考が大事にされてもいいのかと思う事例です

まとめ

今回は商品回収についての事例を取り上げました

現在の商品回収の事例を見ると半分ほどは食品表示法違反です

中には絶対に回収しなくてはいけないのか疑問に思うものがあるのも事実です

ただ、人の価値観は多様であり、日本での商売であれば、リスク「ゼロ」を目指すために企業は過剰に対応しなくては行けないのかもしれません

回収についてはどの企業も回収マニュアルを作っているかと思います

回収マニュアル以外にもどの程度で回収するべきかを常日頃から事例をもって判断する訓練をつけておくと即時の対応でスピーディーに顧客の信頼を得られるようになるのかと思っています

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