お疲れさまです
くおりです
今回は会社で保存している”文書”について説明していきます
基本はISOでの考え方を軸に説明していきます
今回の記事の内容は以下の通りです
- ”文書”とは何を指すのか
- ”維持”のための文書(maintan)
- ”保持”のための文書(retain)
- まとめ(我々が気をつけていくこと)
あなたの会社でも必要な文書、余分な文書ありませんか?
一度考える機会に活用してもらえると嬉しいです
”文書”とは何を指すのか
普段の業務の中で、文書、と耳にしたことがあるかと思います
ISOでは文書というのは必ずしも”紙”とは限らず、”デジタルデータ”も含みます
PDFやExcel、Wordのファイル、アプリや社内チャット、メールでのやり取りも文書として扱うことができます
なぜ、文書にしたか、文書があるか、必要だ!ということがよく言われるのでしょうか
それは、コミュニケーションや業務上の出来事で、記録がなければその際の事柄や話し合いの”証拠”が残らない形になります
言った、言わないの水掛け論になって経験は誰しも1度はあるのではないでしょうか
また、業務を教えるときに人によって教え方が違うという経験をしたことが誰しも一度はあるのではないでしょうか
そういった場合にマニュアルや手順書があれば、教える人の内容を一定に保つことが可能となります
ここで違和感を感じる人がいるかも知れません
そもそも、記録とマニュアルって何か違わない~?
そうです、文書化した情報には大きく2種類が存在します
上記の図のように維持するための文書と、保持するための文書と分けられます
それではそれぞれについて深く説明していきます
”維持”するための文書(maintain)
維持するため、これは何を言っているのかについて説明します
ちなみにmaintainは英語で維持を表し、ISO、いわゆる国際的にも通じる認識の仕方です
“main(主要)”+”attain(達成する)”と考えると、行動を決めるのに主となるものといえます
維持とは、組織の運営、マネジメント、状態を維持するためのものとなります
組織の運営を維持するために、会社として経営目標を立てたりします
そうした場合には経営目標が維持するための文書になります
さらに組織が従業員の行動を示したものが就業規則であり、作業のやり方を示したものが作業手順書やマニュアルになります
もちろん、組織を国に置き換えることで国の方針=公約、国の国民のルールを示したものが法律です
より具体的に言えば、道路上でのルールは道路交通法ですし、食品安全のルールは食品安全基本法や食品衛生法となります
これらの法律も”維持”するための文書となります
こうした維持するための文書がなければ、ルールは暗黙の了解や、忖度といったもので覆われ、その組織、グループ、その場の正しい行動が判断できません
維持する文書には団体の大きさによって、ピラミッド構造を取ります
国際的なルールから、国の法律、業界、社内ルール、現場のルールとなります
このイメージから、会社の方針から部門の目標が出されて現場のルールに落とし込まれ、作業者の行動につながるという認識を持ってもらえればと思います
維持する文書での注意点
個人的に強く思うところですが、ルール、マニュアルに関して、、
一度決めたらそのとおりやるのは原則です
しかしながら、時代の変化や人の変化、技術の進歩や考え方の変化に伴い、ルールやマニュアルは常に書き換えられるものとして認識してください
たまに、マニュアルに書いてあるからと誰もとくしない作業を延々とやっていたり、前任者の作ったルールのとおりに価値のない仕事に励む人がいます
なかなか本人では気づかない場面がもあるかもしれませんが、この記事を見ているみなさんは、ルールはあくまでルールであり、よりよい方法が見つかれば常に書き換えられるものという認識で、ルールを作る側の人になってもらえればと思います
”保持”するための文書(retain)
次に保持するための文書を説明します
英語ではretainとなります
”re(再)”+”attain(達成する)”が入っているので、見直すという意味が入っています
保持とは組織の行動の結果を記録し、やった証拠を残すものになります
そのため組織レベルで見れば、経営の状況を年次で振り返りレビューするような○○期決算報告書、であったり、会議体での議事録、現場で行けばその日の生産記録=日報となります
日常で身近なところでは、買い物をした時にレシートをもらうこと、車でのドライブレコーダーが保持の記録でしょう
他にも病院のカルテであったり、車検証、免許証などが該当します
免許証があるから、車を運転する資格を証明できますね!
これが保持するための文書の効果となります
食品製造では様々な不適合からクレームに発展してしまうことがあります
その際に現場でしっかりとルール通りやっていたことを証明するためにも、これまでのトラブルから必要な記録は何かを考えて作成していくことが必要でしょう
保持する文書でのポイント
保持するための文書では、ISOや外部での監査でしぶしぶやっているものもあるかもしれません
ただ、記録に関しては組織の状況や環境の変化に合わせて、必要な記録類も更新しても問題ありません
ただし、変更する前には組織内できちんと検討し、なぜ必要なのか、変更した場合の”証拠”や”リスク”を話し合い、決める必要があります
危害があり、重篤で頻度が高いものはもちろん必要ですが、設備を入れ替えて頻度がなくなったのであれば、記録は不要でしょう
保持する文書、特に記録では”紙”というイメージが強いかもしれません
これはメールでも保持になります
言ってしまえば紙をなくしてiPadなどでアプリやソフトを使って記録を取ることもおすすめします
紙からエクセルに打ち込んで資料作成していたものや確認して印鑑を押す作業を減らすことができます
以下のサイトの下の方に業務改善のリンクも付けてありますので参考にしてください
まとめ(我々が気をつけていくこと)
今回は維持する文書、保持する文書を説明してきました
維持するためには組織の運営を確実に行うために必要なマニュアルやルール
保持は組織の活動を記録し、何かあった際にはその活動の証拠となる文書
それぞれ、環境の変化に合わせて変更していくことが必要です
この変化に合わせて変更していくこと、これが組織がだんだんと向上するためには必要となります
ISOでのPDCAのActに当たるところになるので、ここができている会社、部署は必ず成長し、活躍できるでしょう
文書化をうまく使って、組織の状況を把握し、改善につなげていけることが我々にとって必要です
それを組織の共通認識として、間違いのない文書を作成しアップデートしていけるように気をつけていかなくてはいけません
もし、できれば組織だけでなく、個人レベルでもやることで資産を必ず可能となります
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