是正処置の書き方 【修正】と【是正】の書き方

ISO22000,FSSC22000

お疲れさまです

くおりです

今回は知り合いから希望がありました、是正処置が出たときにどう書いたらいいのかについて説明します

この記事では以下のことが身につきます

  • 是正処置とは
  • 【修正】と【是正】の違い
  • 原因の書き方
  • 修正の書き方(ポイント解説)
  • 是正の書き方(ポイント解説)

是正処置はPDCAのマネジメントのA(Act:処置)となります、処置するとは以下の通り!

原因を突き止めて、再発防止して、同じ異常が発生しないようにすれば、組織が強くなります

是正処置がうまく回る組織は非常に個々の組織の力が強く、勝手に成長する勝てる企業となれます

早速、説明入ります~

是正処置とは

ちょっと失敗しちゃった

是正処置については、馴染みがある人もいるかと思いますが、よく出てくるのはISOなどの監査での指摘事項でしょう

また、ISOなどのマネジメントシステムを社内入れている企業や、入れようとしている企業では是正処置は実施しているところも多いかと思います

是正処置は大体が以下の内容となります

  • 是正するべき不適合の内容
  • 不適合に対する原因追求
  • 不適合に対する修正
  • 原因追求からの是正
  • 同様の事象が他でも発生しないかの水平展開
  • 是正の有効性の確認

ただ、この是正処置ですが、単なるダメ出しではないんですね!

冒頭でも伝えたようにPDCAを回して、行く中でのA(Act:処置)に当たります

計画(Plan)があり、それを実行(Do)して、チェック(Check)したらOKではなく、NG、もしくはちょっとNGだったので処置(Act)が必要なんですね

主に是正処置を出すのは、不適合(不良やトラブル)が発生したときに仕組みが悪い、もしくは仕組みが無いときに出されます

同様に内部監査でも出されます

これは内部監査で、仕組みをチェックして、実際の不適合が発生する前に、指摘して改善している活動になります

また、是正処置を出すときには要求事項や、社内のルールとの不一致で出されます

しかも証拠が必要です

なので、是正処置が出されたら、”客観的”に見て、仕組みが出来ていないと見られているんだ、仕組みを作っていけばいいんだな、と思って取り組んでください

誰しも自分自身のことはバイアスがかかって見にくくなっているので、是正処置で出たことは他人から見た場合の自分の、自部署の成長点と思って取り組むことが望ましいでしょう

【修正】と【是正】の違い

ジュゴンのイラスト
マナティのイラスト

【修正】と【是正】の違いって、聞いたことない人からするとよくわかりません

ジュゴンとマナティの違いぐらいわからないかもしれません!

言葉の定義としては以下のとおりです

【修正】とは不適合を取り除き、正常な状態へ戻すこと

【是正】とは不適合が今後再発しないように対策すること

修正がその時を見ていて、是正は先をみています

修正が応急対応で、是正は恒久対応です

”不適合を取り除く”とは、不良品が発生して、それを処分したり、手直しして正規品にすることです

工程上や仕組みの不適合であれば、ルール違反を正し、正規のルール違反のない状態にすることです

”不適合が今後再発しないように”とは、不良品の発生した原因を突き止めて設備メンテしたり、ルールを決めたりします

工程上や仕組みの不適合でも、ルールを決めます!さらにルールを文書化すると歯止めとなります

以上を踏まえて実際の書き方について説明していきます

原因の書き方

原因を見つめるのには勇気がいりますね

原因については5W1Hを意識して、なぜなぜを3回は繰り返して書きましょう

5W1HでWhy(なぜ)、What(なにを)、Who(だれが)、When(いつ)、Where(どこで)、How(どのように)をなるべく、具体的に記述しましょう

多くの方は結果ありきで書いてしまうかもしれませんが、そうすると是正処置を発行した目的と異なってきます

その場合によくあるのは修正で止まってしまうパターンで是正に行き着きません!

そして、何度も是正処置を回しているのに返ってくるでしょう~

最初に思いついたものに、なぜなぜを繰り返していくと、必然的に5W1Hは明確になってきます

この原因追求が甘ければ、是正に行き着かず、結果として同じ失敗を繰り返すことになってしまいます

イメージとしては、病気で寒気がするといったときに病院の先生に相談するようにしてください

いつからですか~→今朝から~

周りにいますか~→自分一人です

なにか食べました?→賞味期限が3週間切れた牛乳を飲んだ・・・

それですね!!!原因は牛乳です!!!

寒気がするのであれば、風邪や外気が寒い、インフルエンザや食中毒、ギャグがすべったなど色んな原因が考えられますが、一つ一つ聞いていくことでより明確になります

ここで、賞味期限切れの牛乳と断定してしまった場合には、先生に風邪の可能性すら与えません

周りにもいれば風邪の可能性はぐっっと高くなりますね

とくに感染症であればなおさらですし、その場合には対処は変わりますよね?

原因が特定できれば次はその除去と再発防止ですね

修正の書き方(ポイント解説)

修正は不適合を除去することと話ししました

先程の寒気の場合であれば、寒気を取り除くこととなります

また、家に残っている牛乳があればそれを捨てることですね

直接、体の中の牛乳が取り除ければいいんですが難しいですしね・・・場合によってはやるかも??

なので修正を書くときのポイントは不適合は何なのかを見てみましょう

「○○という不良品が発生」であれば、「不良の○○は誰々が処理し、廃棄した」

「☓☓という機械の故障」であれば、「☓☓の修理」

「△△ののやり方が不十分で要求事項をみたしていない」であれば、「△△の場合は(要求事項を満たすように)やり方を変更した」となります

修正も一個ではないことが多いです

対象の不適合のものを廃棄して、工程を直した、やり方も変えてみたというのがよくあるパターンかも知れません

正解は一つではないため、現場に即したやり方で書いてみて、一度や二度、ダメもとでも提出してみるくらいで進めてもいいかもしれません

是正処置を発行している方は殆どの場合は答えをイメージできているので、すり合わせになるでしょう

是正の書き方(ポイント解説)

是正の書き方です

皆さんよくわからないのがここかな??

先程の病気で寒気がするの例で行けば、原因が賞味期限ぎれの牛乳だったとします

その場合の是正は、牛乳の賞味期限を切らさないこと、切れた賞味期限を飲まないこと

賞味期限切れの牛乳を飲んでも寒気やお腹も壊さない体を作ること、かもしれません

よくある間違いとして、牛乳を飲んで食あたりになっても「薬を飲んで直すように常備すること」は是正にはなっておりません

これは修正を繰り返していることになります

食品製造である、不良品の発生の場合であれば、「不良品が発生したらこうする」というのは根本の原因を捉えて対策されておらず、修正を繰り返すことになってしまいます

もし、不良品が絶対に発生する場合であれば、その除去の方法を直すことになります

絶対に発生する不良品は過去から気づいていて、今回不適合で是正処置になったのであれば、これまでにはない形で流出や大量に発生したはずです

この流出や大量に発生に対する原因への恒久的な対策となります

あと、よくある間違いとして、工程ややり方の間違いの際に「朝礼のときに話をする」「メンバー全員に話をしてルールを周知させる、徹底させる」というのがあります

これは”人が入れ替わる”ことが抜けています

あと、徹底する、周知させるは怪しいワードですね!

それをどうやって徹底するのか、周知させるのかを明確にしなくてはいけません

掲示物で貼り出してサインする。朝礼で伝えて、その後に個別にヒアリングする。朝礼で1ヶ月間毎日全員で唱和するとか、ですね

”気をつける””意識する”も怪しいワードです!

人はミスをする生き物ですし、忘れる生き物です。その前提に立って人が入れ替わっても出来ること、1年後でも同じように出来ることを是正では考える必要があります

そのため、ルールを作ったらできるだけ、マニュアルへ落とし込みましょう

人のミスであれば教育の中へいれましょう

教育がマニュアル化されていなければ、教育で伝えることを一覧化して、カスタマイズするのがいいでしょう

このときに社内にある文書(FSMSや就業規則、ルールマニュアル、作業手順書)があると口頭だけではなく、教育の際に必ず使って人が入れ替わっても、時間が立って1年後忘れてしまっても自然とやる仕組みができあがります

ルールを作って、なるべく文書化して歯止めを聞かせることが是正のポイントとなります

まとめ

今回は是正処置の中で【修正】と【是正】の書き方について説明しました

修正は病気であれば病気の症状を取り除くこと、病気になったもとを除去すること

是正は病気にならないようにルールを守ること、鍛えることになります

是正ではさらに、ルールを作ったり変更したら、マニュアルなどの文書に落とし込むことで歯止めが効き、人の入れ替わり、時間経過でも腐らない仕組みができることでしょう

ここまで出来たら、同じ事象が起きないか自部署や他の部署を見てみて、水平展開し、未然に他の部署のトラブルを防ぎましょう

また、ルールは一度作ったら終わりではなく、やっていて無理があれば続かないですし、やってみたらもっといい方法があれば変えていくべきです

こうして、是正の有効性の評価もしてみてください

有効性は是正処置から3ヶ月~6ヶ月後がいいでしょう

人の入れ替わりも含めれば1年後でもみてみると、新しい手間のかかるルールができても目的が大きければ、過去の失敗を起こさないものであれば納得してやることができるでしょう

一度参考にしてやってみてください

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必ず返答させてもらいます

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Bitly

コメント

  1. Y より:

    是正と修正の違いを食品に絡めて書いてあるサイトがなかなかなく、説明もわかりやすくてすごく助かりました!
    これからもリクエストしていきますね!😁

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